台風一過の爽やかな秋晴れの中、
10月2日(土)に、港区立六本木中学校において、今年度第2回研修会が行われました。

 前半は、昨年度に実施した、『新型コロナウイルス感染症対策に関するアンケート・実践報告』にご協力いただいた方の中から、3名の先生方に、「コロナ禍における学校での対応と工夫」として、実践報告をしていただきました。

新宿区立西新宿中学校 主幹教諭 斉藤章代 先生からは、「コロナ禍で学んだ 養護教諭の伝える技術」として
教職員への提案資料の工夫や効果的な表示、保健指導の工夫についてご報告いただきました。

北区立浮間小学校 主任養護教諭 田村佳子 先生からは、「新型コロナウイルス~差別・偏見をなくそうプロジェクト~」として
文部科学省のマニュアルに掲載されていた資料を活用した指導についてご報告いただきました。

東京都立千歳丘高等学校 主幹教諭 広瀬菜々子 先生からは、「コロナ禍の内科検診について」として
全校一斉に1日で行われる健康診断の、日程調整や会場設置の様々な工夫や、医師との綿密な連携についてご報告いただきました。

どの実践も、今後に生かせる情報がたくさん詰まっており、大変参考になりました。

 
 後半は、埼玉大学教育学部 教授 戸部秀之 先生から、「コロナ禍における子供の健康 ~養護教諭を対象とした3回のアンケート調査から見えること~」というテーマでご講演をいただきました。

 令和2年2月、首相から突然「全国一斉の臨時休業」の要請があり、学校に混乱が起こったことから、全国の教育関係者と、「起こりうる課題を共有」する必要性があると考え、3月に全国の養護教諭を対象に第1回目のWeb調査を実施。長期の臨時休業の中で、子供の心身の変調への心配や、学校では先が見通せない不安が大きくのしかかっている状況などが明らかになったこと。
 
 これを受け、休校明けの令和2年7月下旬から、第2回目のWeb調査を実施。保健室の機能への影響や教職員の負担と疲弊の現実があらわになり、終息が見えない危機的状況で、皆が前向きに協力するためには、過剰な負担を避け「持続可能な対策」を工夫する必要があることが分かり、まさに学校保健の腕の見せどころだと考えたこと。
 ポイントは ・正しく恐れること ・持続可能な対策は「徹底」から「調和」へ  ・感染症対策とリンクした学びと子供の参画 であるということで、様々な実践もご紹介いただきました。

 そして、令和3年4月から、第3回目のWeb調査を実施。これまでの結果と比較し、子供たちの心身への影響が続いていること、心配な状況がさらに増えていることなど、最新の分析結果を示してくださいました。

 困難な時期だからこそ、先を見通す「予見力」と、コロナ禍での経験を生かす「成長力」を発揮して、保健教育を行っていく重要性を教えていただきました。
 たくさんのデータをご紹介いただき、それをもとに分析された結果から大切なことを学ばせていただき、大変有意義な研修会となりました。

 研修会の様子は動画配信でご覧いただけますよう、準備を進めております。配信のご案内はメールにて後日、お知らせいたします。